大規模大気特論で出てくる温位というのはいったい何なのでしょうか?
小さな疑問からざっくり簡単に理解していきましょう!
ある高さの空気を、もし地上の平均的な気圧(1000hPa)まで持ってきたときの温度
意味がわかるようなわからないような
もう少し詳しく見ていきましょう!
その場所での空気の熱い冷たいを表す、いわば「現時点でのスナップショット」
もし空気を基準の場所に移動させたらどうなるかという「ポテンシャル」
高度の違う温度を比べることができる!
高度が違うと気圧も違うため、単純に温度を比較しても、どちらの空気塊が本来的に暖かいのかは分かりません。温位を使うことで、高度の違いによる影響を取り除き、空気塊が持つ本来の暖かさを比較できます。
$$
\theta = T \left( \frac{P_0}{P} \right)^{\frac{R_d}{c_p}}
$$
乾いた空気を熱を加えず移動させる場合、温位は保存されます。
乾いた空気の塊が上昇したり下降したりする際、外部との熱のやり取りがない場合(断熱過程)、その空気塊の温位は一定に保たれます。これは、高度が変わると気圧が変化し、それに伴って空気塊の温度も変化しますが、基準の気圧(1000hPa)まで移動させたときの温度は変わらない、ということを意味します。
異なる高度にある二つの乾燥空気塊AとBを考えてみましょう。
単純に温度を比較すると、空気塊Bの方が暖かいですが、これは高度の違いによる気圧の影響を受けている可能性があります。
そこで、それぞれの温位を計算してみましょう。
空気塊Aの温位 (\(\theta_A\)):
$$
\theta_A = 293.15 \times \left( \frac{1000}{898.76} \right)^{0.286} \approx 293.15 \times (1.1126)^{0.286} \approx 293.15 \times 1.0315 \approx 302.3 \, \text{K (約29℃)}
$$
空気塊Bの温位 (\(\theta_B\)):
$$
\theta_B = 298.15 \times \left( \frac{1000}{1000} \right)^{0.286} = 298.15 \times (1)^{0.286} = 298.15 \times 1 = 298.15 \, \text{K (約25℃)}
$$
計算の結果、空気塊Aの温位は約302.3K (29℃)、空気塊Bの温位は約298.15K (25℃)となりました。これは、もしそれぞれの空気塊を地上の基準気圧(1000hPa)まで移動させた場合、上空1000mにあった空気塊Aの方が地上の空気塊Bよりも暖かい ことを示しています。
異なる高度にある空気塊の本来的な暖かさを比較するために非常に有効な指標 です。
高度による見かけの温度差に惑わされることなく、空気塊の持つ本質的な熱エネルギーを理解することができるのです。これは、大気の安定性や気象現象を理解する上で非常に重要な視点となります。
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