【大規模大気特論】乾燥断熱減率とは?大気安定度との関係に関してざっくり解説!

断熱乾燥断熱減率は、汚染物質の拡散を考える上で非常に重要な概念です。大気中の汚染物質の拡散は、大気の安定度によって大きく左右され、その安定度を評価する上で断熱乾燥断熱減率は基準となるからです。乾燥断熱減率とはなにか?大気安定度との関係を絡めて詳しく見ていきましょう!

乾燥断熱減率ってなんなの?

ざっくり説明

乾いた空気を熱を加えず上に移動させた温度変化のこと

空気塊が上昇すると、周りの気圧が低くなるため膨張し、その際に内部エネルギーを使って温度が下がります。この温度の下がる割合が乾燥断熱減率です。

低層大気中での乾燥断熱減率(\(γ_d\))
約 9.8 ℃/km = 約0.98℃/km で一定

乾燥断熱変化をする場合、温位は一定になります。

温度勾配と大気の安定度

実際の大気の温度変化は日射や地面や大気からの赤外放射、空気の移動などの影響で変化します。大気の安定度は、高度による温度の変化、すなわち温度勾配(\(\frac{dT}{dz}\))によって評価することができます。

1. 温度勾配(\(\frac{dT}{dz}\))>乾燥断熱減率(\(γ_d\))の場合: 大気安定度は安定

乾燥した気塊が断熱的に上昇したとすると温度勾配>乾燥断熱減率の場合、上昇した気塊の温度は周りの空気と比べて冷たくなるため元の位置に戻ろうとします。そのため大気安定度は安定となります。

2. 温度勾配((\frac{dT}{dz}))<乾燥断熱減率((γ_d))の場合: 大気安定度は不安定

逆に温度勾配<乾燥断熱減率の場合、上昇した気塊の温度は周りの空気と比べて暖かくなるためさらに上昇しようとします。そのため大気安定度は不安定となります。

3. 温度勾配(\(\frac{dT}{dz}\))=乾燥断熱減率(\(γ_d\))の場合: 大気安定度は中立

温度勾配=乾燥断熱減率の場合、上昇した気塊の温度は周りの空気と同じ程度となるため上昇した位置のままになります。そのため大気安定度は中立となります。

温位による大気安定度の評価

平均的な温位勾配は近似的に以下の式で表されます。

温位勾配の計算

$$
\frac{d \theta}{dz} = {\gamma _d} + \frac{dT}{dz}
$$

温位が一定の場合 → 中立
上空のほうが高い場合 → 安定
上空のほうが低い場合 → 不安定

まとめ

乾燥断熱減率

  • 乾いた空気を熱を加えず上に移動させた温度変化
  • 乾燥断熱減率(\(γ_d\)) 約 9.8 ℃/km = 約0.98℃/km (低層大気中)

大気の安定度

  • 安定 (\(\frac{d T}{d z} > \gamma _d\)): 高度が高くなるにつれて温位が高くなる状態。
    擾乱が起こりにくい安定した状態。
  • 不安定 (\(\frac{d T}{d z} < \gamma _d\)):高度が高くなるにつれて温位が低くなる状態。
    対流運動が活発になりやすい不安定な状態。
  • 中立 (\(\frac{dT}{d z} = \gamma _d\)) : 高度によって温位が変化しない状態。
    空気塊は特に力を受けず、そのままの状態を保つ。

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