結合次数の求め方|1.5や2.5になる理由をMO法まで解説
結合次数は、
原子同士がどれくらい強く結びついているか
を表す基本かつ重要な指標です。
しかし実際には、
- 結合次数ってどう求めるの?
- 1.5とか2.5って何?
- ルイス構造とMO法はどう使い分ける?
と疑問が出やすいテーマでもあります。
この記事では、
- ルイス構造からの求め方
- 共鳴構造がある場合の考え方
- 分子軌道法(MO法)による計算手順
- NO分子の具体例
- 典型分子の結合次数一覧
までを体系的に解説します。
結合次数とは?
結合次数(bond order)とは、
2原子間に形成されている結合の数を数値で表したもの
です。
結合次数が示す意味
一般に:
- 結合次数が大きい
→ 結合が強い
→ 結合長が短い - 結合次数が小さい
→ 結合が弱い
→ 結合長が長い
という関係があります。
つまり結合次数は、
➢ 結合の強さと長さを予測する指標
です。
簡単な結合次数の算出:Lewis式からの算出
基本ルール
具体例
| 結合 | 結合次数 |
|---|---|
| 単結合 | 1 |
| 二重結合 | 2 |
| 三重結合 | 3 |
多くの分子では、この方法で十分です。
共鳴構造がある場合の結合次数
共鳴構造をもつ分子では、
結合次数は平均値で考える
のが簡易的かつ実用的です。
ベンゼンの例
ベンゼンでは二重結合が交互に現れる2つの共鳴構造を持ちます。
平均すると:
➢ C–C結合次数は1.5
これは、
- π電子が環全体に非局在化
- すべてのC–C結合が等価
であることを意味します。

MO法で結合次数を求める理由
ルイス構造では、
- 奇数電子分子
- 電子が強く非局在化する分子
を正確に扱えません。
そこで必要になるのが、
➢ 分子軌道法(MO法)
です。
MO法による結合次数の求め方
Step1:分子軌道図を描く
原子軌道を組み合わせて、
- 結合性軌道(低エネルギー)
- 反結合性軌道(高エネルギー)
を作ります。

Step2:電子を配置する
ルール:
- 低エネルギーから入れる
- 1軌道に最大2電子
- 同エネルギー軌道はまず1個ずつ
Step3:結合次数を計算
これがMOによる結合次数の定義式です。
NO分子で実際に計算してみる
NO(一酸化窒素)はMO法による結合次数算出を理解する上で重要な例です。
電子数
- N:5個
- O:6個
➢ 合計11個(奇数電子)
電子配置
結合性MO:8電子
反結合性MO:3電子

結合次数計算
➢ NOの結合次数は2.5
ルイス構造では自然に扱いにくい値です。
ここにMO法の価値があります。
典型分子の結合次数一覧
| 分子 | 結合次数 | ポイント |
|---|---|---|
| H₂ | 1 | 基本例 |
| O₂ | 2 | 常磁性分子 |
| N₂ | 3 | 非常に強い結合 |
| CO | 3 | N₂並みの結合強度 |
| NO | 2.5 | 奇数電子分子 |
| ベンゼン | 1.5 | π電子非局在化 |
まとめ|結合次数がわかると分子が読める
- まずはルイス構造で結合の数を確認する
- 共鳴構造をもつ分子では平均値として結合次数を考える
- 1.5のような値はπ電子の非局在化によって生じる
- 奇数電子分子や非局在化が強い場合はMO法で扱う
- 2.5のような端数は反結合性軌道に電子が入ることで生じる
- 結合次数は整数とは限らない
結合次数を理解すると、
- 結合の強さ
- 結合長
- 分子の安定性
まで予測できるようになります。
