硫黄酸化物(SOx)の処理∣排煙脱硫技術
SOxとは?
SOx(硫黄酸化物)とは、硫黄と酸素の化合物の総称です。主に二酸化硫黄(SO2)と三酸化硫黄(SO3)があり、大気汚染物質として知られています。これらは空気中で水と反応して硫酸(H2SO4)となり、酸性雨の原因となります。

SOxの発生源
SOxは、主に石油や石炭などの化石燃料に含まれる硫黄分が燃焼する際に発生します。
主な発生源は以下の通りです。
- 火力発電所などの大規模な燃焼設備
- 工場や製錬所のボイラー、加熱炉
- 船舶や自動車の排気ガス(特にディーゼルエンジン)
SOxの対策方法
SOxの対策は、発生を抑制する方法と発生したSOxを除去する方法の2つに大別されます。
1. 原料改善による抑制
燃料中の硫黄分を減らすことで、SOxの発生そのものを抑える方法です。具体的には、低硫黄燃料の使用や、燃料を精製して硫黄分を取り除く脱硫が行われます。
各燃料の硫黄含有量比較
| 燃料種別 | 硫黄含有量(質量%) |
|---|---|
| 重油(C重油など) | 約0.5〜3.5%(高硫黄重油では5%程度) |
| 石炭 | 約0.3〜3.0% |
| 天然ガス | 約0〜0.02%(ほぼ0) |
2. 排煙脱硫技術による抑制
排煙脱硫技術は発生したSOxを排煙から取り除く技術です。この技術は、燃焼後の排ガスを処理するため、より広範な硫黄含有燃料に対応できます。
排煙脱硫技術では湿式の石灰スラリー吸収法や水酸化マグネシウムスラリー吸収法が広く使用されています。
排煙脱硫プロセス
排煙脱硫プロセスの分類
排煙脱硫プロセスは湿式、半乾式、乾式に大別されます。湿式の石灰スラリー吸収法や水酸化マグネシウムスラリー吸収法が広く使用されています。
| 分類 | プロセス |
|---|---|
| 湿式 | 石灰スラリー吸収法 |
| 水酸化マグネシウムスラリー吸収法 | |
| アルカリ溶液吸収法 | |
| ダブルアルカリ法 | |
| 酸化吸収法 | |
| 半乾式 | スプレードライヤー法 |
| 炉内脱硫+水スプレー法 | |
| 乾式 | 活性炭吸着法 |
まとめ
- SOxは酸性雨などの環境問題の主因であり、燃料対策と排ガス処理の両面からのアプローチが重要です。
- 実用的には、湿式脱硫法(特に石灰スラリー・水酸化マグネシウム法) が主流となります。