NH₃にH⁺が加わってNH₄⁺になるとき、結合に使われた電子はNH₃側から来ています。
これは共有結合と何が違うのでしょうか。
この電子の出どころが偏っている共有結合を配位結合と呼びます。
この記事では、配位結合の定義と共有結合との違いを整理しながら、なぜ形成後は普通の共有結合として扱われるのかを解説します。
電子対を一方の原子だけが供与してできる共有結合
配位結合は、
の間で形成されます。
たとえばNH₄⁺では、
として働きます。
NH₃の非共有電子対(ローンペア)がH⁺へ供与されることで、新しいN–H結合が形成されます。
配位結合と共有結合の違いは、
「結合に使われる電子を誰が出したか」
にあります。
ただし重要なのは、
違うのは、結合ができるまでであり、形成後の結合自体は普通の共有結合として扱われる
という点です。
アンモニウムイオン(NH₄⁺)は正四面体構造をとります。
このとき、4本のN–H結合はすべて等価です。
つまり、
のように区別することはできません。
最初はNH₃の電子対供与によって結合が形成されますが、形成後は4本すべて同じN–H結合として扱われます。
そのため、配位結合という言葉は、
特別な結合の種類というより、結合の作られ方を表す言葉
と考えると理解しやすくなります。
配位結合は、ルイス酸・塩基の考え方で整理できます。
NH₃ + H⁺ → NH₄⁺ の場合、
となります。
つまり、配位結合とは、
ルイス塩基からルイス酸への電子対供与
として見ることもできます。
→ 誤り
矢印で書かれるため、「特殊な結合」に見えますが、実際には共有結合の一種です。
違うのは電子の出どころだけであり、形成後の結合そのものは通常の共有結合として扱われます。
→ 誤り
NH₄⁺の4本のN–H結合はすべて等価です。
どれが最初に電子対供与でできた結合かを区別することはできません。
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