異核二原子分子(CO・HF・NO など)は、同核二原子分子とは分子軌道の形や電子分布が大きく異なります。
異核二原子分子の分子軌道は、CO・HF・NO などの理解に必須ですが、
同核二原子分子との違いが分かりにくい分野でもあります。
しかし多くの場合、同核との違いが曖昧なまま個別の分子を覚えてしまいがちです。
この記事では
を体系的に整理します。
異核二原子分子の最大の特徴は
原子軌道のエネルギーが異なること
です。
この違いにより、分子軌道の性質が大きく変わります。
| 項目 | 同核二原子 | 異核二原子 |
|---|---|---|
| 原子軌道エネルギー | 同じ | 異なる |
| 分子軌道 | 対称 | 非対称 |
| 電子分布 | 均等 | 偏る |
| 極性 | なし | あり |
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異核二原子分子では、異なる原子同士の原子軌道が組み合わさって分子軌道を形成します。
このとき、原子の種類によって原子軌道のエネルギーが異なります。
電気陰性度が高い原子では、一般に価電子軌道のエネルギーが低くなります。
このエネルギー差があるため
といった特徴が現れます。
エネルギー差によって、異核二原子分子では非対称な軌道混合が起こります。
| 項目 | 同核二原子 | 異核二原子 |
|---|---|---|
| 混合比 | 50:50 | 非対称 |
| 電子分布 | 均等 | 偏る |
| 結合性軌道 | 中央 | 低エネルギー側に偏る |
| 反結合性軌道 | 中央 | 高エネルギー側に偏る |
分子軌道の混合の大きさは、主に原子軌道のエネルギー差で決まります。
軌道混合が強くなる条件
逆に
この違いが、CO と HF の性質の違いにつながります。
※実際の軌道混合の強さは、エネルギー差だけでなく軌道の対称性と空間的重なりにも依存します。
二原子分子では、σ対称性をもつ軌道同士の相互作用がエネルギー順序に影響を与えることがあります。
σ対称性をもつ軌道同士は、エネルギーが近い場合に混合します。
s–p軌道間の相互作用は、同核二原子分子で解説した相互作用と同じものです。
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同核二原子分子では、分子が中心に対して左右対称になるため、σ*2s と σ2p は相互作用できません。
一方、異核二原子分子では左右対称性が崩れるため、両者が相互作用し、非対称な分子軌道が形成されます。
つまり
同核では影響しなかった σ*2sが、異核では軌道構造に直接影響します。
これが両者の本質的な違いです。
本記事では、異核二原子分子の代表的な2例に関して確認します。
特徴
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特徴
異核二原子分子のポイント
この基本を理解すると
なども自然に理解できるようになります。
まずはCOの解析から読むのがおすすめです。
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