ホフマン則とは?|なぜ低置換アルケンが優先することがあるのか
ホフマン則とは?

多くの脱離反応では、より置換度の高いアルケンが主生成物になります。
これはザイツェフ則として知られています。
しかし、
- かさ高い塩基を用いる場合
- ホフマン脱離のような立体障害の多い基質
では、逆に置換度の低いアルケンが優先して生成することがあります。
このような選択性をホフマン則 といいます。
ホフマン則
立体障害が大きいE2反応では、置換度の低いアルケンが得られる
なぜ低置換アルケンが優先するのか
通常、より置換度の高いアルケンほど熱力学的に安定です。
そのため、多くのE1・E2反応では、ザイツェフ則に従って多置換アルケンが優先して生成します。
しかしE2反応では、アルケンの安定性だけでなく、
- β水素へ塩基が接近しやすいか
も重要になります。
ホフマン脱離や、tBuOK のようなかさ高い塩基を用いる条件では、混み合った内部のβ水素へ近づきにくくなります。
そのため、
- より立体障害の少ないβ水素
が優先して引き抜かれます。
結果として、置換度の低いアルケンが主生成物になります。
かさ高い塩基を用いたE2反応
ホフマン則は、特にE2反応でよく見られます。
たとえば、 tBuOKのようなかさ高い塩基を用いると、立体障害の小さいβ水素が優先して引き抜かれやすくなります。
その結果、置換度の低いアルケンが主生成物になりやすくなります。

代表例:ホフマン脱離
ホフマン則の代表例が、ホフマン脱離です。
ホフマン脱離は、二段階のE2反応で、(1) アミノ基をメチル化し、4級アンモニウム塩とした後で、(2) 塩基で処理することでアルケンを得るE2反応です。

この反応では一般に、置換度の低いアルケンが主生成物になります。
ホフマン則という名前も、この反応に由来しています。
まとめ
- 多くの脱離反応ではザイツェフ生成物が優先する
- 立体障害が大きいE2反応では、低置換アルケンが優先することがある
- 背景には立体障害とβ水素への接近しやすさがある
- ホフマン脱離はその代表例
